妊娠報告、祖母の第一声

妊娠報告、祖母の第一声

2026年4月30日 オフ 投稿者: kekkon_aruaru

妊娠が分かった日。
喜びと同時に、誰にどう伝えようかを考え始めた。

両親、兄弟、友人、職場…。
でも一番に顔が浮かんだのは祖母だった。

小さい頃から何かあるとすぐ電話をくれる人。誕生日も試験も就職も、人生の節目には必ず一番に喜んでくれた。だから今回も直接伝えたいと思った。

久しぶりに実家へ帰省し、祖母の家へ向かう。
インターホンを押すと、いつもの元気な声。

「はーい!」

ドアが開いた瞬間、なぜか急に緊張した。
どう言おう。どんな顔をするだろう。

座布団に座り、お茶を出してもらう。いつもの光景。いつも通りの時間。
でも今日は特別な日。

「実はね…」

言葉にした瞬間、胸がいっぱいになった。

「赤ちゃんができたの」

一瞬の沈黙。

祖母は目を丸くして、こちらを見つめた。
そして次の瞬間――

「やっとか!」

祝福より先に出た一言だった。

一瞬、ぽかんとした後、家族全員が大爆笑。
祖母は慌てて「違う違う!嬉しいのよ!」と手を振った。

「ずっと待ってたんだからねぇ」

そう言いながら、目には涙。
手を握られた瞬間、こっちまで泣きそうになった。

祖母は昔から「ひ孫を見るまで元気でいる」と言っていた。
冗談のように聞いていたけれど、本気だったのだとそのとき分かった。

「名前はもう決めたの?」
「体は大丈夫?」
「食べなきゃだめよ」

質問攻めが始まり、気づけばテーブルの上には果物とお菓子が山盛り。帰る頃には袋いっぱいの食べ物を持たされていた。

帰り際、祖母は玄関まで見送りに出てきて、小さな声で言った。

「ありがとうね」

その言葉を聞いた瞬間、胸がぎゅっとなった。
ありがとうと言いたいのは、こっちの方だった。

妊娠報告は何度もするものじゃない。
でもあの日の祖母の「やっとか!」は、きっと一生忘れない。

期待されて生まれてくる命がいる。
それを実感した日だった。